2013.01.22
【Webマガジン Vol.2 – Jan., 2013】技術用語解説 測定における不確かさって何? <前編>
WEBマガジン通信・RF
それぞれの標準不確かさに関して 6~9 【Page 5 of 6】
6. センサー温度係数の標準不確かさ
これはAutoCalが実施された時の温度からセンサーの温度が大きく変化した時、発生する誤差です。Boonton社製パワーメーターでは、この変化を自動的に検出し、使用者に再度AutoCalを行う事を促す機能を持っています。
本例における温度による標準不確かさは次の通りです:
7. センサーのノイズの標準不確かさ
パルス測定のノイズの一因となるものは、読み値を表示する際の平均化サンプル数(アベレージング)に依存します。CWセンサーや変調モードにおけるピークセンサーを用いた連続測定では、測定の積分時間(フィルタリング)に依存します。 一般に、フィルタリングまたはアベレージングを増やす事は、測定ノイズを縮小します。 センサーのノイズは、通常絶対値のパワーレベルとして表現されます。ノイズによる標準不確かさは、測定される信号パワーとノイズとの比に依存します。次式はノイズによる標準不確かさの計算に使用されます。
8. センサーのゼロドリフト(オフセットのズレ)の標準不確かさ
これは零点値(オフセット値)の時間的ドリフトです。フィルタリングまたはアベレージングではこれは取り除けません。この標準不確かさは、次の公式も用いて算出されます。
9. センサー校正係数(Cal Factor)の標準不確かさ
センサー周波数の校正係数(Cal Factors)は、センサーの周波数応答を正確にする為に使用されます。これは各周波数において測定されるパワーと実際に印加されたパワーの比より算出されています。 Boonton社製パワーメーターでは、このパラメーターは事前にメーカーで算出されセンサー内部に保存されます。 センサーのCal Factorによる標準不確かさは、この周波数校正を実行する間に発生したバラつきであり各周波数では異なります。