2013.01.22
【Webマガジン Vol.2 – Jan., 2013】技術用語解説 測定における不確かさって何? <前編>
WEBマガジン通信・RF
それぞれの標準不確かさに関して 1~3 【Page 3 of 6】
前述の通り、単純にRFパワーを測定する場合でも、様々な要素の不確かさを考える必要があります。以下にそれぞれの要素の不確かさに関して説明を致します。
1. 機器の標準不確かさ
これは測定器そのものが潜在的に持つバラつきで、例えば内部構成部品の温度ドリフトや内部増幅およびデジタル化において発生します。 内部校正部品の温度ドリフトは、電源投入直前と時間経過後との間に発生するもので、Booton社製品においては、AutoCal機能(自動校正機能)を用いる事で、回路類内の絶対的誤差を非常に小さくします。Boonton社パワーメーター4530シリーズでの機器では、標準不確かさは0.2%となります。
2. 校正器レベルの標準不確かさ
これはパワーセンサーを校正する校正器の出力レベルのバラつきです。Boonton社パワーメーター4530シリーズは校正器を付属していますが、この校正器のバラつき要素は出力レベル毎で以下の通り異なります。
50MHz 校正器レベルの標準不確かさ;(環境温度0℃~20℃において)
校正器として、外部校正器を用いた場合は以下の通りになります。
Boonton社製2530 1GHz 外部校正器レベルの標準不確かさ;
校正器のレベルの標準不確かさは、使用されるセンサーの校正方法に依存します。AutoCalが実行された場合、上記にある測定パワーレベルにおける校正器の標準不確かさを使用します。 外部校正であるFixedCalでセンサーを校正した場合は、レベルが一定である為に、AutoCalよりも標準不確かさは大きくなりえます。
3. 校正器不整合の標準不確かさ
これは校正器の出力とセンサーの終端間でのインピーダンス違いによる不整合による標準不確かさです。次の方程式を用いて、校正周波数における校正器(DCAL)とセンサ(DSNSR)との反射係数から計算されます:
校正器の反射係数は、校正器の仕様による:
センサーの反射係数であるDSNSRは周波数に依存します。