2013.01.22

【Webマガジン Vol.2 – Jan., 2013】技術用語解説 測定における不確かさって何? <前編>

WEBマガジン通信・RF

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コーンテクノロジー
この記事の監修者
コーンズテクノロジー編集部
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はじめに 【Page 1 of 6】

計測器・測定器の評価を行う場合、最初にスペックシート等でその機器の持つ精度(Accuracy)や誤差(Error)および再現性(Repeatability)の仕様を確認すると思います。  また、思うような測定結果が得られない場合、特に測定結果が予想していた結果と比べて大きく異なる場合も同様に、スペックシート等からこれらパラメーターを確認し、『機器の故障ではないか』考える事があるかと思います。

これらパラメーターは機器そのものの性能を評価する場合は有効になりますが、一方で例えばRFパワー(電力)を測定する場合は、単純にパラメーターのみで評価を行う事はできません。 なぜなら、通常RFパワーを測定する場合は、その測定対象に適したパワーメーターとパワーセンサーの組み合わせで実施されます。この時それぞれが持つ精度や誤差は必ずしも同じ方向(ベクトル)へは作用せず、ある程度のバラつきを持つからです。  この場合、測定結果に対する評価は“精度/誤差”は使用せず、“不確かさ(Uncertainty)”のパラメーターを使用します。  測定結果の“質”を共通の尺度で評価するために不確かさが定義されています。

不確かさを知ることで、測定結果そのものの“質”(信頼性)の評価を行ったりまた、トレーサビリティの観点からも使用されています。

今回はこの“不確かさ”に関して、当社で取り扱っております米国Boonton社のCW/ピークパワーセンサーおよびパワーメーターを用いて、前編と後編にわけて説明したいと思います。