ホログラフ回折格子入りレンズ一体成型技術:ARfusion® 【センサ・電子部品】
スマートARグラスのゴール
ARグラスを、広く市場に導入し、近い将来スマートフォンのようにユビキタスなものにしていくには、快適で、手頃な価格で、自然な見た目で、使いやすいものでなくてはいけません。
これをするには、高品質映像と広い視野(FOV)を、ファッション性が高く、コンパクト・軽量サイズで実現する必要があります。そのため、スマート技術(ディスプレイ、フィルター、アクティブディミング)を、高強度の、キャスティング製の度付きレンズに埋め込まなくてはなりません。
より没入型に | ⇒ 広い視野、画質 |
毎日24 時間装着 | ⇒ 低消費電力、軽量 |
強度 | ⇒ 落下性能、耐スクラッチ性 |
販売価格 | ⇒ 部材価格、製造コスト/歩留り |
スマートグラスの実現には、2つの課題がありました。
①従来の眼鏡の形をした中に、スタイリッシュで、軽量、掛け心地を損なわずにすべての機能を詰め込む必要
②拡張現実ディスプレイ(その他アイトラッキングカメラやセンサーも)を度付き眼鏡の中に埋め込み(今後見込まれるユーザーの、50%以上は、視力矯正が必要と考えられます)
より環境に優しい方法で視力矯正レンズを
ARfusion® システムは、スイスの会社である Interglass Technology が開発し、自動生産のレンズ のキャスティング製造システムを設計しました。これは、従来のプロセスと比べ、わずかな材料とエネルギーにて、度付きレンズを製造する、よりサステナブルな手法でした。
ここでは、多くの(2000種以上の)金型のライブラリ(前面用と背面用があり、再利用も可能)を使う事で、レンズを、直接、最終的な視覚矯正用の形状へとキャスティングしています。
アクリルモノマーを2つの金型の間に注入、このモノマーはUVライトで数秒で硬化できます。金型は自動的に分離され、レンズ基板がおよそ1分で用意できます。単純な視覚矯正のレンズであれば、洗浄、研磨、後加工は必要ありません。度付きレンズにスマート AR 素子を正確に形成し埋め込むには、最適化された最小限の厚さの(ベストフォームの)、セミ品のブランク レンズを製造します。標準的な眼科用加工装置を使い、最終的な曲率へと研磨できます。
ARfusion™のレンズキャスティング | 従来のフリーフォームの面出し加工 | |
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従来のキャスティング製法のプラスチック レンズでは、ブランク品を処方の形状へと研磨出ししていくため、元のレンズ ブランク品の材料の最大 80% が無駄になります。同じ量の材料で、ARfusion® は最適化されたセミ品レンズを複数個製造できます。標準的な熱硬化工程では、セミ品のレンズ ブランク品を最大 50 時間硬化させるために、ARfusion® ではUV 硬化材料およびそれに伴う工程が使用されるのに対し、はるかに多くのエネルギーと加工時間が必要です。
様々なエンベッド(埋め込み実装型)スマートテクノロジーに対応
ARfusionプロセスは(ホログラフィック光学素子のような)機能性フィルムを少ない歪みでフォーミング加工する方法を用います。ホイル(箔)材、もしくはその他の部品も、成型用の型のくぼみの中に精密に配置されます。
100℃以下の低温で行うため、デリケートなフィルムにもダメージがありません。
フィルム材料の接着強度は高く、構成部品は、のちにキャスティング成型したレンズにより保護されます。
導光板やマイクロディスプレイ、液晶とエレクトロクロミック基板(箔)、マイクロカメラとLED、偏光基板(箔)、センサー基板(箔)、ホログラム、フレックス回路、アンテナなど、さまざまなデバイスをキャストレンズ内に埋め込むことができます。
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電子デバイス | 偏光フィルム | センサ機能付フィルム | ホログラム |
META ホログラフィック オプティクスの利点
META のホログラフィック 部品は、感光性ポリマーをベースに作られており、カスタム設計可能、ラミネーション、熱成形、プラスチック射出成形、キャスティングによる製品の積層に適しています。すべてのホログラフ機能は、フィルム形状で実現でき、目に見えない形で積層されるため、通常のアイウェア のレンズであるかのような見た目となります。高い透明度が必要なその他のアプリケーションでも実現できます。
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高い回折効率(ブラッグ回折格子による)
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大面積で形状はカスタム可能
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フレキシブル(樹脂製)基板
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積層も可能な薄膜層(<100 ミクロン)
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(反射する範囲から)外の角度帯・波長帯の透明度を高くできる
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材料による吸収がわずか
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回折格子のピッチとスラント(傾斜)角度にて、処方に合わせ設定。材料変更や追加レイヤーなどが必要ありません。
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反射率と透過率を調整可能
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多数の光学機能をまとめてひとつの素子に
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軽量
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ロールツーロールで低コストに製造
原料、知財およびMETA社独自装置
META 社は (2020年11月に)Covestro Deutschland AG社と複数年にわたるサプライヤー契約を結んでいます。これにより、新しい感光性ホログラフィック フィルム材料の早期入手が可能です。(フィルム材料はMETA 社のホログラフィック製品のビルディングブロックでもあります。)。この契約は、Covestro社の感光性ポリマーフィルムの研究開発ライブラリへ、かつてない早期アクセスが可能になり、また、META 社の製品開発とイノベーションのスピードも加速しました。
META社は (2019年に)North, Inc.社から、Intel社が Vaunt AR グラス用に開発していた第 1 世代および第 2 世代のロールツーロール ホログラフィック製造技術を取得しました。
META社は、(2021年2月に)Interglass社の資産と IP を取得しました。ここには第 2 世代の ALC5 レンズキャスティング装置、および関連するワークステーションとソフトウェア、ツール、および試験設備が含まれ、また、特許、商標、ノウハウ、技術データ、専有ソフトウェア、デザインと言った企業機密情報の知的財産も含みます。
Interglass 社は、35 の国際特許を取得しており、そのほとんどは、UV 硬化アクリル樹脂をベースにした高品質のプラスチック レンズ、その他の光学部品のキャスティング工程の分野のものです。
META社は、(2021年7月に)オンタリオ州キッチナーにある North Inc.社が以前所有していた第 1 世代の Interglass ALC 4 システムも取得しました。
ARの景色を皆様へ
METAは、AR プラットフォームの開発者様がファッション性が高く、機能的な AR スマート グラスに向けた課題に対応できるよう支援致します。
ARfusion® プラットフォームがあれば、スマート技術を軽量で度付きのレンズに埋め込み、これら2 つの必要な要素を融合することが可能です。
拡張現実の映像(ビジョン)を実現することは、複雑で高い技術力が必要です。META は、原料、ホログラフィックおよび光学の専門知識、特殊機器、および IP を含めた、垂直ソリューションをまとめてご提供します。
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電子システム部 通信計測チーム
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