2014.10.22

【Webマガジン Vol.12 – Oct., 2014】航空機開発におけるテレメトリー技術

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この記事の監修者
コーンズテクノロジー編集部
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民生技術を取り込んだ、新しいテレメトリー

昔の無線通信の技術は、軍事産業がリードしてきました。そして現在、携帯電話やモバイルPCなどで使っている技術の多くは、軍事用として発明されたものをベースにしています。しかし現在、これらの技術は民間の機器向けとして使用され、改良が繰り返され、独自の発展をしてきました。

特にインターネットで使われるIPネットワークは、航空計測の分野に大きく入り込んできています。例えば航空機に搭載されたシグナルコンディショナーは、IPネットワークに接続されて、トランスミッタやデータレコーダに送られます。機能的に構築された計測用ネットワークには、カメラで撮影した映像情報などを同時に扱うことができ、高度な解析が行えるようになります。

これらのシステムはすでに実用化されており、ボーイング787や、エアバスA380の開発で使われました。また米軍ではiNETプログラムにより、IPによるコミュニケーションネットワークの標準化に取り組んでいます。

 


ITC展示会(米国)で発表される、iNETの研究
成果。実際に使用されたネットワーク機材が
展示された。

 

  このプログラムでは、航空機や地上の車両、そして基地を共通のネットワークでつなぎ、あらいる情報収集と指令系統を統合することを目指しており、計測の領域を超えた新しい環境作りに取り組んでいます。

そして近い将来、iNET規格に準拠した製品であれば、異なるメーカーの機器でも、簡単に同じIPネットワークにつなげて、使用できる環境になるでしょう。そして計測だけではなく、航空機をより安全で効率化された輸送手段とする為に、通常の運用に応用する試みが始められています。