2013.03.22

【Webマガジン Vol.3 – Mar., 2013】技術用語解説 測定における不確かさって何? <後編>

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コーンズテクノロジー編集部
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実際に不確かさを計算してみましょう 【例2:モデル57518 ピークパワーセンサ Step1~6】

測定条件は以下の通りです。

  • 信号源周波数:     900MHz
  • 信号源パワー:     13 dBm (20mW)
  • 信号源SWR:        900MHzにおいて1.12 (反射係数=0.057)
  • AutoCal信号源:  外部校正器 ブーントン社2530 1GHz校正器
  • AutoCal温度:     38℃
  • 現在温度:         49℃
    注)この例において、AutoCal実施から暫く経ってから測定が実施された場合です。

Step1
4530シリーズの機器の標準不確かさは、±0.20%です。AutoCalが実施されてから暫く経っている為、公称値をそのまま使用します。

 

 

Step2
ブーントン社製2530 1GHz外部校正器用の校正器のレベルの標準不確かさは、校正器の仕様から読み取ります。0dBmでは0.065dB(1.15%)です。この値に、0dBmから5dBステップ毎に0.03dB(0.69%)を加える必要があります。13dBmは0dBmから、2.6 ステップ分になります。分数は通常四捨五入されるので、今回3ステップを使用します。

 

 

Step3
校正器の不整合による標準不確かさは、前述の公式を用いて算出できます。校正器の反射係数DCALは2530外部校正器の値を使用し、パワーセンサの反射係数“DSNSR”は、使用している57518センサのデータシートから値が計算します。

DCALは、データシートより0.091です。 57518センサの反射係数は、1GHzにおける最大のSWR“1.15”より算出します。

 

 

この結果より、校正器の不整合による標準不確かさは、

 

 

Step4
信号源の不整合による標準不確かさも前述の公式を用いて算出します。信号源の反射係数“DSRCE”には測定対象物の仕様値を使用し、パワーセンサの反射係数“DSNSR”は、使用している57518センサのデータシートから値を計算します。

DSRCEは、データシートより0.057です。(900GHzにおける信号源の反射係数) 57518センサの反射係数は、0.9GHzにおける最大のSWR“1.15”より算出します。

 

 

この結果より、信号源の不整合による標準不確かさは、

 

 

Step5
マニュアルから全てのレベルにおける57518ピークパワーセンサ用のセンサの線形性の標準不確かさは4.0%です。しかし、今回の例では校正周波数である1GHzに非常に近い900MHzで測定している事から、線形性の標準不確かさの周波数への依存量はとても小さいと仮定し、半分の2%になると考えます。

 

 

Step6
センサの温度ドリフトの標準不確かさは、センサ校正温度およびセンサの温度係数から温度がどれくらいドリフトしたかに関係します。使用しているセンサが温度補償センサであり、温度はAutoCal実施時の温度から11℃(38℃から49℃)ドリフトしています。従って、センサ温度ドリフトによる要素の計算のマニュアルから、以下のように計算します。