2019.01.22

【Webマガジン Vol.29- Jan., 2019】Column: FLIR Lepton で、お手軽?サーマル (3)

WEBマガジン

  • TOP>
  • 特集>
  • 【Webマガジン Vol.29- Jan., 2019】Column: FLIR Lepton で、お手軽?サーマル (3)
コーンテクノロジー
この記事の監修者
コーンズテクノロジー編集部
コーンズテクノロジーでは先進的な製品・技術を日本産業界へ紹介する技術専門商社として、通信計測・自動車・防衛セキュリティ・電子機器装置・航空宇宙・産業機械といった技術分野のお役立ち情報を紹介しています。

V4l2loopbackとv4l2leptonによる画像取り込み

起動に問題なければ、ログイン後、modprobe v4l2loopbackします。
V4l2leptonがある(またはpathが通っている)ディレクトリで、
v4l2lepton –v /dev/video0 –d /dev/spidev0.0 &
V4l2leptonはフォアグランドプロセスとなっています。特にメッセージ出力は無いので、バックグランドにしておいて問題ありません。

以上で、VoSPI画像キャプチャが開始され、画像は/dev/video0へと送られています。

もし、ディスプレイを持つプラットホームでお試しの場合、この時点で、お使いのディスプレイに合わせ、vlcやffplay(ffmpeg)といった動画像プレーヤーで表示することができるようになっています。

ffmpegによるストリーミング

以前の Bosonの場合 と同様ですので、説明は割愛します。

Nano Pi NEOでストリーミングを行い、Windows PC上のvlcクライアントでキャプチャしたものが右になります。80×60タイプのLeptonですので、このようにキャプチャ画像を貼り付けると、ちょっと粗さが気になるかもしれません。(mjpegであるが故もありそうですが)

このストリーミング実行中で、ffmpegは約150Mbyteのプロセスサイズ、ロードレベルは0.7~0.9という状況ですので、CPUには余裕があります。512Mbytesのメモリに対して、スワップは発生していません。60分程度実行させたままで、CPU温度は42~43℃となっています。(室温27℃)

 

図 5 ストリーミングしたLepton画像(ironblack)

 

図 6 Lepton右手に持って記念撮影?

 

Leptonを右手に持って、スマホで記念撮影。PC画面側VLC画像は、見やすいように、だいぶ拡大しています。

ここではLepton1.5を用いましたが、解像度が高いLepton3.xで、マルチタスクOS下で「数分~数時間稼働させると画像が止まる」等のケースに遭遇した場合は、ロジアナを使ってSPIバスの状況確認や、タスクスケジューリングについて確認してみると、良いかもしれません。LeptonをRaspberry PiやNanoPiのような、マルチコアSoCを搭載したボードで使う計画を立てた場合、それほど意識することもなくOSとSoCに任せておけばうまくいくんじゃないかと期待してしまいすが、そう簡単にはいかないこともあるようです。

タスク管理が難しい場合は、PT1/PT2のように、スケジュール管理された独立したMCUのコントロール下にLeptonを置く、というアプローチも必要になるかもしれません。Lepton3.xとPT2の組み合わせでの評価がお勧めされているのは、そのような背景に基づいています。

今後の展開

電源供給や、Leptonを接続するポート、コンソールを接続するポートや、USBポート増設を行うため、ユニバーサル基板でこのようなボードを作ってみました。この写真では、SoC側SPI・I2CにLeptonを搭載してあります。LCDを使う場合はそこに接続します。USBポートはType-A二段のものを搭載してあります。これで、Bosonを使うデモも実現できます。

 

図7 ユニバーサル基板を使ったキャリアボードに搭載

 

Leptonを利用する際には、①USB-SPI他I/Fデバイスを用い、USBでインターフェースできるようにするケース、②PT1/2に代表される、専用のMCUを用いることでLeptonに合わせた環境を作り上げるケース、③そのほかLinuxベースの組込ボードを利用したケースの3通りをリストアップしてみましたが、そのいずれの手法のご紹介でもできるようなデモシステムを作れれば、と考えている次第です。(道は長そうだ…)

最後に

本書では、Leptonの利用方法について、インターネット上で紹介されている様々な手法を含めて紹介させていただきました。事例を掲載されているサイトを個々に紹介させていただいたわけではありませんが、いずれも、一定のキーワードを使うことで到達でき、その内容を知っていただくことができるものと思いますし、多くは日本語で読むことができます。

事例のほとんどは、筆者が実際に実行してみていますが、プログラマではないことを言い訳として、最終的な完成系に至るところまで、すべてのケースで到達しているわけではありません。何かお見せできるものを作成した際には、ご紹介の機会を持ちたいと思います。