2014.06.22

【Webマガジン Vol.10 – June, 2014】エネルギーハーベストで提案するバッテリーレス・ソリューション

WEBマガジン

  • TOP>
  • 特集>
  • 【Webマガジン Vol.10 – June, 2014】エネルギーハーベストで提案するバッテリーレス・ソリューション
コーンテクノロジー
この記事の監修者
コーンズテクノロジー編集部
コーンズテクノロジーでは先進的な製品・技術を日本産業界へ紹介する技術専門商社として、通信計測・自動車・防衛セキュリティ・電子機器装置・航空宇宙・産業機械といった技術分野のお役立ち情報を紹介しています。

エネルギーハーベストとは

エネルギーハーベストとは、自然界に存在するエネルギー源で普段使われずに捨てられている極小さな電力エネルギーを収穫(ハーベスティング)し、センサーネットワークに代表される通信ユニット、センサ及びその他製品に対して、電源やトリガ信号として直接及び間接的に再利用する技術をいいます。

この普段、回収できずに“捨てている”エネルギーを上手く収穫し再利用することで、例えばセンサや通信ユニットのバッテリーレスを実現、結果としてシステムの【完全なメンテナンスフリー】を実現することが期待されています。なお、エネルギーハーベストで獲得出来る電力は非常に小さいため、スマホや無線LANへの利用は到底困難です。しかしながら、通信頻度に応じた利用が出来るレベルにまで技術は到達しているので非常に小さな電力であっても、次の通信が発生するまでの間に必要な電力を蓄積することが出来れば、システムとしては問題ないはずです。なお、エネルギーハーベストが貢献出来る省エネとは、電力再利用だけではなく、システムが構築出来た後の、バッテリーのメンテナンス等の労力も含まれます。

 


All about Energy Harvesting

 

  自然界に存在するエネルギーの中で、エネルギーハーベストの“元”と考えられている代表的なものは次のとおりです。

  • 太陽光
  • 振動(圧電と電磁誘導)
  • 無線
  • 生体エネルギー

 

エネルギーハーベストに期待できること

現在、いろいろな場所で様々な“センサ”が使用されていますが、これらのセンサ及びセンサからの情報送信にはどうしても電源が必要とされ、多くの場合は配線(有線)による給電や、バッテリー(無線)による給電を行っています。

近年の技術革新に伴い、センサそのものの消費電力や通信に使用する消費電力の省エネ化は益々実現され、また近年は環境配慮製品も多く市場に出てきていますが、システムで使用されているバッテリーの部分には、それでも未だいくつかの課題があります。特に無線ネットワークでの課題とされているのは、バッテリー使用の問題ですが、このエネルギーハーベストを用いる事でそれは解決できると期待されています。

 

エネルギーハーベストが解決するバッテリー使用の諸問題

  • バッテリーの寿命
    一定期間での交換が必要  ⇒  長寿命化、セルフ化
  • 定期的に必要なメンテナンス
    保全/交換作業における費用や人件費が必要  ⇒ 配線や電池交換の不要
  • 環境対応への柔軟性
    バッテリーの仕様上からの環境制限  ⇒ 暑/寒環境での使用可能
  • 廃棄問題
    廃棄物による環境問題  ⇒ バッテリーの廃棄量及び廃棄コストの削減

 

バッテリーレスが期待されているアプリケーション事例

  • コンシューマ/ヘルスケア
    時計、RFIDタグ、ICカード、体温/体重計
  • ホームネットワーク
  • ワイヤレスセンサネットワーク
    プラントのプロセス管理、ビルの照明管理、ビルの空調管理、設備のモニタリング