2018.10.22

【Webマガジン Vol.27- Oct., 2018】Column: Boson How To – アナログ出力

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この記事の監修者
コーンズテクノロジー編集部
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Bosonが提供する画像出力

カタログでは、映像チャネルとしてCMOSまたはUSBと記載させて頂いています。映像チャネルのCMOSとはすなわち16bit parallelで、いくつかのデジタルデータフォーマットを選択可能です。
アナログフォーマットとしてはBT.656を選択することができます。VPCではこれを利用しています。すなわち、BT.656を選択してコンポジットビデオエンコーダを接続すると、いわゆるアナログビデオ信号を得ることができます。Boson上、この切り替え制御は、後に述べる制御チャネルを通して行います。

 

コンポジットビデオエンコーダ(Video DAC)としては、次のような製品が該当します。

ADV7391(Analog Devices)、AK8813(AKM)、ML86640(Lapis Semiconductor / Rohm)

「CVBS DAC」等キーワードとして探してみてください。
ADV7391の場合、コンポーネント出力も可能ですが、AK8813、ML8640ではコンポジットあるいはS-Video出力になります。

図 8 コンポジットビデオ(wikipediaより) 、S-Videoもコンポジットです。

 

図 9 コンポーネントビデオ(wikipediaより)、D1端子と同じです。

 

コンポジット・コンポーネントビデオプラグとして、以上図ではピンプラグ(RCAプラグ)のものを示しましたが、BNCを使っているものもあります。

大抵の場合、ビデオエンコーダーは動作モード設定を必要とし、I2CあるいはSPIを用いていますので、トータルシステムとしてはBosonの制御チャネルに加えて、DACの制御用チャネルについての考慮が必要になります。
また、これらDACの性能は出力画質に影響がありますので、ご評価の上ご利用ください。残念ながら当社では取り扱いの製品はありません。

 

Bosonが提供する制御チャネル

カタログでは、制御チャネルとしてRS-232CまたはUSBと記載しています。これは、USB CDCを用いてBosonを制御できることを意味しており、映像チャネルとしてUVCを用いているときはUSBだけで映像と制御を行うことができます。
ここではRS-232Cを使って制御したいので、USBではなく、UART I/Fを使います。I2CがBosonコネクタに存在しており、既存のVPCにてビデオエンコーダが利用しているものと思われますが、現時点で、SDK上で自由にI2CホストあるいはI2Cデバイスとして動作できるようにはなっていません。結果として、ビデオエンコーダ制御と、Boson制御を行うマイコンが必要になります。

 

制御プログラム

Webマガジンのケースでは、動画像ストリーミングを行うために比較的CPUパワーがあるプラットホームが必要でしたが、Bosonのシリアルコマンド制御とビデオエンコーダのI2C制御だけであれば、PICマイコンやArduinoクラスで十分にドライブできます。開発に際しては、短距離接続のうちであれば、ArduinoのUART端子とクロス接続できればOKということになります。もちろん、Arduinoボードのままで量産とはいかないかもしれませんが、基本的にオープンですから、どう作り込むかはみなさま次第です。

Arduinoソフトウエア開発の観点では、Boson SDKをArduino IDE上に移植することができればC/C++等でfunction callする形でプログラミングが可能になります。しかし、移植せずとも、Boson Software IDD記載のファンクションについて、ArduinoからBosonへ送るInput / Send parametersとそれに対するBosonの応答Output / Receive parameterによるシーケンスを作成していただくことで、Bosonの制御を行うことができます。その事例はSDKに含まれています。rawBosonというサンプルプログラムが該当します。
まずはBosonから画像出力を得るための設定からはじめると良いかと思います。DACの初期設定をお忘れなく。

図 10 全体構成

 

構成の試験

この構成のコンセプトを含めて試験を行うには、Boson Development Boardを用いると良いでしょう。このボードはBosonを中心に置いた装置開発を意図しており、Boson connectorすべてが2.54mmピッチヘッダに引き出されています。それを用いて、ブレッドボードや周辺デバイスの評価ボードなどと接続することができます。詳細は、「Boson Development Boardの使い方」を参照してください。

 

図 11 Development Boardの利用