2018.10.22

【Webマガジン Vol.27- Oct., 2018】Column: Boson How To – アナログ出力

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コーンテクノロジー
この記事の監修者
コーンズテクノロジー編集部
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Bosonには、背面に、外部装置とのI/Fを提供する80ピンのB2Bコネクタが搭載されていますが、カメラ制御を行ったり画像を得たりするためには、インターフェースボードを開発していただく必要があります。そこで、当社が販売しているBosonでは、必ず、アクセサリであるVPCキットを搭載させて頂いています。VPCとは、Video・Power・Controlの略で、要はビデオ信号出力取り出し、電源供給とカメラ制御を(Bosonの場合はUSBにより)提供するものです。それにより、同梱するBoson Applicationを用いれば、容易にサーマルイメージを得ることができ、Bosonの性能を確認いただくことができます。

 

図1 Boson

 

VPCには、オプションとして、アナログビデオ出力できるものがありますので、それを用いれば、固定焦点のCCTVカメラとして評価していただくことも可能になります。しかし、VPCはあくまでもアクセサリですので、本格的にBosonを利用した製品開発上、量産品としてご利用いただくには、制約も発生してしまいます。

図2 BosonとVPCモジュール

 

監視用途にフォーカスした場合、監視カメラの多くはCCTVカメラであり画像I/Fはアナログビデオです。もちろん、有線・無線ネットワークを使ってストリーミングをするケースもありますが、それについては他のwebマガジンで紹介させていただきました。
CCTVカメラの場合、制御はカメラ括り付けがほとんど、RS-232CならまだしもUSBは引き回したくないというお話を伺うこともありますので、BosonコネクタからBoson用電源と、ビデオ出力を引き出したうえで、ビデオエンコーダ、制御用ボードを近くに設置するか、場合によってRS-232Cドライバの搭載(と、ビデオ用コネクタ、RS-232Cコネクタ)が必要になります。

 

アクセサリ応用によるプロトタイプ

製品化に際し、最終的にはビデオエンコーダを搭載したボードを作るとしても、まずはコンセプト確認を含めてプロトタイプ、ということで、VPCを使ったうえで、電源供給し、アナログビデオを取り出すことを考えます。

VPCを搭載しているBosonは、USB type-Cを使ってホストから電源を受け取り、コミュニケーションを行います。前述の通り、VPCからはオプションによってアナログビデオを取り出すことができますが、そのビデオ信号は、通常のUSB-Cケーブル上にはありません。このため、オプションのカスタムケーブルを利用いただくか、DP Alt modeに対応したケーブルを用い改造する、もしくは自作することになります。今回はDP Alt modeケーブルを加工して、ビデオ信号を取り出すことにしました。もし、USB type-Cオスの、フルコンタクトのブレークアウトボードを入手することができれば、アナログビデオ出力を含め、Bosonと必要な接続のみを行うことができますが、調達に時間がかかりそうでしたので今回は見送りました(このための信号接続については、Bosonをご購入いただいたお客様向けにのみお知らせすることができます)。

 

図3 VPC

 

電源としては、広く使われ入手しやすいLi-Poバッテリを使うことを検討します。しかし、このバッテリは充放電を誤ると非常に危険ですので、充放電回路として確立しているものを利用しました。

Bosonは、データシートによれば最大580mA必要(シャッター動作時)です。プロトとしては、1~2時間動作すれば、デモンストレーションとしては十分だと考え、ここでは850mAhのバッテリを用意しました。
充放電モジュールの出力は4.2V/1Aとなっているため、USBデバイスが必要な+5Vへ昇圧するDC/DCコンバータをつけ、アクリル板の上にホットボンドで取り付けたものが右写真になります。
右側USB microBは充電用電源入力、左端が+5V出力となります。
この状態でBosonをドライブさせてみると、2時間以上稼働しています。Bosonの温度が安定して、シャッターがあまり稼働しないためもあるかと思います。

 

図4 Li-Po バッテリと充電器・DC-DCコンバータ

 

図5 バラックセットでの動作試験

 

以上を元に構成し試験したのが左の写真になります。Boson直下にあるtype-Cメスのブレークアウトボードを使い、信号確認をしている状況でのスナップショットになります。電源は、上記Li-Poバッテリで動作しています(充電中)。
実際には、信号確認ができていればこのブレークアウトボードは不要です。

構成と動作試験できた一式を、ガムの空き瓶(約φ60mm、高さ95mm)に納めてみました。少し、電源供給及びNTSCビデオ引き出しのために使っているUSBケーブルが長すぎましたが…。

図6 ガムの空き瓶に押し込んでみる

 

これで、試験的に、アナログビデオ出力する赤外線カメラ装置ができた、ということになります。USBケーブル長をもうちょっと工夫するか、もしくは、もう少し背の高いビンを使うと良いかと思います。ケーブルグランドの中に、ちょうどBosonのレンズ部径の収まりが良いものがありますので、そちらを使うともっと「カメラっぽい」外見になります。

図 7 アナログ出力のBosonとアナログビデオモニタ