2020.04.22

【Webマガジン Vol.31- Apr., 2020】Press Release: 新型コロナウイルスの世界的感染時における、AIが食品・飲料の官能評価に起こす変革

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この記事の監修者
コーンズテクノロジー編集部
コーンズテクノロジーでは先進的な製品・技術を日本産業界へ紹介する技術専門商社として、通信計測・自動車・防衛セキュリティ・電子機器装置・航空宇宙・産業機械といった技術分野のお役立ち情報を紹介しています。

人工知能(AI)で消費者パネルを代替することにより、ソーシャルディスタンス(社会的距離)を必要とするパンデミックにおいても、新製品の発売を可能とします

新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックは、食品および飲料業界を含め社会全体に深刻な、場合によっては長期にわたる混乱を引き起こしています。食品および飲料業界が今日直面しているサプライチェーンと安全面での問題のみならず、ソーシャルディスタンス(社会的距離)を確保する必要性によって引き起こされる状況の変化に適応するため、新しいテクノロジーを採用する必要があります。

食品・飲料メーカーの製品開発者は、これまで何十年もの間、少人数のフォーカスグループや官能評価など、複数の人数が同時・同場所で実際に集まりサンプルを評価した結果に大きく依存してきました。現在、製品開発は一時停止されているか、またはその従来の官能評価を行うことなく進められています。
CLT(Central Location Test:セントラル・ロケーション・テスト)とフォーカスグループが行えず、消費者によるサンプル評価を行えなくなっており、食品・飲料メーカーは新製品の開発時に最も価値のある消費者からのフィードバックを得る機会を損失しています。

Gastrograph AI(ガストログラフAI)で実現できること

Analytical Flavor Systems社(アナリティカル・フレーバ・システムズ社(以下、AFS社);アメリカ)が提供する、「消費者の異なる味覚を理解し、味のトレンドを予測するAIであるGastrograph AI(ガストログラフAI)」は、遠隔でありながらそれまで蓄積されたデータを活用することにより、安全かつ効果的な方法で消費者の味覚と嗜好性を知ることが可能です。具体的には、食品・飲料メーカーは、スマートフォンのGastrographアプリを用いて在宅勤務を行っている従業員が10〜15の製品を評価することで、世界の28市場における消費者の好みを予測することができます。

「Gastrograph AIでデータが収集されると、ほぼリアルタイムで、100のCLTを世界中で行っているかのようになります」と、AFS社のCEO・創設者であるジェイソン・コーエン(Jason Cohen)は述べています。

写真:AFS社のCEO・創設者であるジェイソン・コーエン(Jason Cohen)氏

Gastrographは、10~15の製品評価を基に消費者調査を行いたい市場/ターゲット消費者層のデータに変換し、その消費者層がどのような特徴の味覚を持ち、また、どのような嗜好性分布があるのかを予測することが可能です。

対象となる消費者層による官能評価などのデータなしで、嗜好性予測が可能

現在、製品開発者の知識と経験を基に開発されたプロトタイプは、例えば、中国沿岸部の一般消費者にとってどれほど辛いと感じられるか、または、自社の菓子製品がヒスパニック系アメリカ人にどれほど甘いと感じられ、どれほど好まれるのか、ミレニアル世代はこのプロトタイプを競合製品よりも好みそうか、など、これらの質問に対してGastrograph AIは、消費者の嗜好性に関するデータをすでに収集・蓄積・学習しているため、対象となる消費者層による官能評価などのデータなしに、回答することができます 。

Gastrograph AIは、市販の食品および飲料製品を用いて最大かつ最も多様なデータの量でトレーニングされています。データは、CLTプロジェクトごとに都度測定・収集されるのではなく、消費者の嗜好性を予測するためのAIモデルを学習させるために使用されます。

  • プロトタイプ例

アメリカ                                         中国沿岸部

上のレーダーチャートは、対象市場の消費者の味覚感度予測。左はアメリカ、右は中国沿岸部。
下のグラフは、それぞれの市場における嗜好分布予測。

「Gastrograph AIは、すでに確立された既存の手法を大幅に改善します。対面式/会場調査は、その時の一瞬のデータを提供するものなので、そのデータ価値の半減期は短く、多くの場合はそのプロジェクトのみ有効なものです。
また、CLTフォーカスグループは特定の特徴を持つ消費者を事前にスクリーニングするため、その調査から導き出された結果は、彼らと特徴が似ている消費者の近似予測しか求められず、結果、将来に向けた有用性はほとんどありません」と、Better Food Venturesのパートナーであるブリタ・ローゼンハイム(Brita Rosenheim)は述べています。

食品・飲料メーカーは、Gastrographプラットフォーム上に自社独自のデータベースを構築し、時間の経過とともにAIはそのデータからも継続して学習することにより、更に予測機能が向上します。
Gastrograph AIは「Fortune 500」のグローバル企業から地域のブランドまで、新製品開発・既存製品の最適化・そして新しい市場への新規参入まで、幅広い目的で信頼できる開発パートナーです。

このパンデミックは、世界の人口を養っている食品・飲料業界に、新たな、また予期せぬ方法で、既存の手法に対して疑問を投げかけています。この危機がもたらす課題に立ち向かい克服するには、新しいテクノロジーも一躍を担えますが、レモンからレモネードを作るのは、最終的には、人間とそれまで累積された専門知識です!

関連動画

製品ページ

https://cornestech.co.jp/product/products_analyticalflavorsystems-1