2013.09.22

【Webマガジン Vol.6 – Sept., 2013】マイクロ波リモートセンシング研究 合成開口レーダ用1270 MHz送受信装置

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コーンズテクノロジー編集部
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合成開口レーダ用1270 MHz送受信装置

現在、当研究室では小型衛星GAIA-IIに搭載するLバンド(周波数1270 MHz)円偏波合成開口レーダ(CP-SAR)を開発している。この宇宙用のCP-SARを開発する前に、地上実証実験用のCP-SARセンサを開発している。図2に示すように、このセンサは主にチャープパルス発生器、送受信装置、画像信号処理装置から構成されている。チャープパルス発生器と画像信号処理装置は、当研究室が独自開発した。また、この1270 MHz送受信装置はコーンズテクノロジー社のご協力をいただき、開発されたものである(図2と図3を参照)。

 


図2.
円偏波合成開口レーダCP-SARシステム


図3.
合成開口レーダ用1270 MHz送受信装置

 

このRFシステムは図4に示す当研究室の大型無人航空機に搭載する予定である。このRFシステムは上空約2kmからCP-SAR画像を生成するためのものである。このシステムは送信と受信モジュールから構成されている。送信部の入力はベースバンドDC~150 MHzをもつチャープパルスのIとQである。そして、このチャープパルスは周波数1,270 MHzで変調される。

   ただし、この製品の送受信システムの周波数レンジは、1270 MHz±50 MHz (最大±150 MHz)をもっている。送信システムは利得チューニング機能をもち、1, 2, 3, 8, 16 dB または0~-31 dBで調整することができる。また、受信部の利得チューニング機能は、1, 2, 3, 8と16 x 2または0~-62 dBで調整することができる。パワーアンプ(PA)は50Wの送信パルス(最大10µs・2%の最大duty circle)の出力電力を制御することができる。送受信アンテナのスイッチング速度は一般的に1µsで、最大2µsである。アンテナは左旋円偏波(LHCP)と右旋円偏波(RHCP)のマイクロストリップアレーアンテナから構成されている。チャープパルス発生器によって、パルス幅とバンド幅を制御する。現在、この送受信装置を活用して、CP-SARシステムの室内と地上実証実験を行っている。近い将来、当研究室の無人航空機に搭載して、CP-SARシステムの飛行試験を実施する予定である。将来、このCP-SARセンサを活用して、人が近づけない災害地域(火山噴火域など)を火山灰、雲、霧などを通過できる無人航空機搭載合成開口レーダで観測する予定である。また、当研究室の小型衛星に搭載することによって、グローバル地球表層を観測することができると期待している。

 


図4.
ヨサファット研・大型無人航空機JXシリーズ
※機体内の黄色箱が送受信装置

 

あとがき

   弊社では、増幅器を始めとして多様な各種電子機器を揃えています。 それらの幅広い商品ラインナップで、研究・開発から製造まで種々のご要望にお応えする事ができます。