2014.04.22
【Webマガジン Vol.9 – Apr., 2014】画期的な生体イメージング用高分解能光音響3D顕微鏡(PAM)
WEBマガジン
この度、コーンズテクノロジーより生体イメージング市場へ製品投入される高分解能光音響3D顕微鏡(PAM)について紹介させていただきます。
この技法の原理は、光を生体に照射するとその光吸収により生体内特定分子が励起状態となり熱が発生します。その熱による分子の光音響波(Photo Acoustic Wave)を検出する仕組みを利用したものです。
この光音響波効果が、生体内赤血球中のヘモグロビンやメラニンなどに効果的に発生することから、2000年頃に世界の先端研究施設で研究機器として開発され始め、最新テクノロジーを駆使した生体イメージング装置として生まれ変わりました。
光音響波発生の仕組み
Cell(細胞)から Tissue(組織)へ
これまで、細胞の微細な構造や動きを高解像度に生細胞観察できる技術が確立しましたが、一方、組織の微細な構造や機能が不明な為、生体イメージング技術の確立が急務となりました。
今日、生体イメージングには、癌や脳血栓などの医学分野でPETやCT、MRIと言った高価な機器が投入されていますが、その取扱いや汎用性の点で問題が多く、人体への影響面では使用頻度に多くの制限が発生します。更に、検出分解能で1mm前後と低く、症状が発生した後での検出用途が主たる目的となります。一方、超音波技法は、深度計測では有益なツールですが、画像精度の劣性や硬い組織(骨)の反射等でその利用範囲の制限が発生します。
この度、生体イメージング市場へ販売投入される高分解能光音響3D顕微鏡(PAM)は、非解剖(非侵襲)技法でしかも、高分解能(最大 XY:5μm、Z:15μm)での分子イメージング計測や、in vivoでの生体計測が可能な画期的な装置です。癌や脳血栓などの病理を血管や目的の部位(皮膚や臓器:光音響プローブによるマーカー使用)などの構造を把握することが可能です。
たとえば、癌(特に表皮癌:メラノーマ)は、癌とホクロの区別が視覚的には難しいですが、癌は進行する上で血管を多く作る(血管新生)特徴があり、本装置で計測し、その血管新生の様子をイメージ計測すると、下図のように一目瞭然です。
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一般的には下図のように、人体の腕や手や動物の足、全身に分岐する血管の状態や、その健康状態をモニターする指標としての血中酸素濃度の定性並びに定量計測の方がイメージを掴み易いでしょう。
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高分解能光音響3D顕微鏡(PAM)は、更に下記応用分野へと広がり始めています。
- ES細胞やiPS細胞などの再生組織利用の再生医療関連
再生組織の品質検査や移植後の組織生成経過モニターなどの研究分野 - 投薬による病理改善モニター( Drug Delivery System (DDS) )
生体内の分子結合可能な様々なプローブ開発(金ナノ粒子、ICG、蛍光プローブ、SWNT等)効果による同プローブを血管注射にて
へモグロビンやメラニンと組み合わせた投薬物質を目的臓器(部位)へ送り、その結合状態を観察(動物実験 用途)
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