2022.11.10

Bluetooth Low EnergyのGATTプロファイル上の独自データ解析方法のご紹介

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コーンテクノロジー
この記事の監修者
コーンズテクノロジー編集部
コーンズテクノロジーでは先進的な製品・技術を日本産業界へ紹介する技術専門商社として、通信計測・自動車・防衛セキュリティ・電子機器装置・航空宇宙・産業機械といった技術分野のお役立ち情報を紹介しています。

本コラムの構成

■はじめに
■GATTプロファイルの役割とUUIDについて
■DecoderScript機能を用いた解析手順

 

■はじめに

Bluetooth通信では、独自UUIDを用いてデータを送ることができます。つまり自分たちのデータをより送りやすい形に定義することで、最適なBluetooth通信を実現できます。
今回は、Bluetooth Low Energy通信でそのような独自UUIDを使ってカスタマイズされたデータを解析する方法をTeledyne LeCroy社Wireless Protocol Suiteを用いて紹介します。

■GATTプロファイルの役割とUUIDについて

まず、Bluetooth Low Energyは以下のスタック構造から構成されています。

この構造の中でデータ転送の中心となるのがGATT(Generic ATTribute profile)になります。GATTでは、上位Profileの機能とATT の橋渡しのデータ定義を行い、LEの ProfileはすべてこのGATTで制御されます。

データのやり取りはGATT内のClien(Central)/Server(Peripheral)間で行われます。

Serverには複数のServiceを持つことができ、固有のUUIDが割り当てられます。 Bluetooth SIGで定義されたものは16‐bit UUIDとなりますが、独自UUIDを定義する場合は128‐bit UUIDを使用します。

通常、Bluetooth SIGで定義されていないデータを解析すると「Unknown UUID {0xaa00}」と表示されますが、WPSではDecoderScript機能を用いてこのデータを明らかにすることができます。

※Teledyne社Webinarより抜粋

 

■DecoderScript機能を用いた解析手順

Teledyne LeCroy社のソフトウェア「Wireless Protocol Suite (WPS)」のDecoderScript機能におけるAttribute Protocolでの独自UUIDを使用したカスタマイズ表示について紹介いたします。

・手順1:「ATT_Custom_LongUUIDs.ini」の準備

 128 ビット独自UUIDを32 ビットUUIDで定義 します。

手順2:「Custom Attribute ATT.dh」の準備

 定義したUUIDに表示名とデータ構造体を割り当てます。

・手順3:「My Decoders」フォルダへの配置

 前述の2つのファイルを「C: Users Public Documents Teledyne LeCroy Wireless My Decoders」に配置します。

上記3つの手順を実施しますと、以下のようにデコードすることができます。

ーDecoderScriptが反映された表示①

ーDecoderScriptが反映された表示②

その他Decoder Scriptの詳細については以下資料をご参照ください。

・Whitepaper Extending Frontline Products

https://fte.com/docs/WhitePapers/DecoderScriptExtendingFrontlineProducts.pdf

・DecoderScript Manual

https://fte.com/docs/usermanuals/decoderscript%20manual.pdf

またサンプルファイルをご希望の方は弊社までお気軽にお問合せください。

 

■終わりに

昨今IoT業界では、ローコストで導入しやすいBluetooth Low Energyデバイスが多く使われています。そのような中で、自分たちの送りたいデータが正確に送られているか確認することは非常に重要になってきています。ぜひ、Bluetoothプロトコルアナライザで自社製品の通信を確認してみていただけますと幸いです。

 

以下のリンクでは、上記解析に対応したBluetoothプロトコルアナライザ製品をご紹介しております。

 

Teledyne LeCroy Frontline社 Bluetoothプロトコルアナライザ製品一覧ページ

https://www.cornestech.co.jp/tech/frontline/

また、弊社ではアナライザをお持ちでないお客様向けにBluetoothの測定・解析サービスをご用意しております。Bluetoothに関するお悩みや品質向上をしたい方は、以下より詳細をご参照ください。

 

Bluetooth 測定・解析サービスのご紹介

https://info.cornestech.co.jp/Teledyne_Bluetooth_Measurement_Service

その他にもTeledyne社製品・サービス、LE Audio最新対応状況などに関するご質問やご要望等ございましたら、ページ下部のWEBマガジンお問い合わせフォームより、お気軽にお問い合わせください。