2025.01.07

Bluetooth製品開発における接続トラブルとその解決方法とは?プロトコルアナライザの特徴と導入メリット

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コーンテクノロジー
この記事の監修者
コーンズテクノロジー編集部
コーンズテクノロジーでは先進的な製品・技術を日本産業界へ紹介する技術専門商社として、通信計測・自動車・防衛セキュリティ・電子機器装置・航空宇宙・産業機械といった技術分野のお役立ち情報を紹介しています。

プロトコルアナライザとは

Bluetooth接続が想定どおりに機能しない原因はさまざまありますが、プロトコルアナライザを活用すれば効率良くその原因の特定を進められます。
この記事では、Bluetooth接続にありがちなトラブルや、製品開発における課題、プロトコルアナライザの詳細や特徴、用途、オシロスコープとの違いなどを解説します。

 

Bluetooth接続におけるトラブル、製品開発における課題

Bluetooth接続は今や人々の生活に浸透した技術ですが、利用時に通信トラブルが発生することもあり、その原因の特定は、製品開発段階における重要な課題となります。

まずは、Bluetooth接続における代表的なトラブルを3つご紹介します。

 

そもそもの接続開始に失敗するケースがある

1つ目のトラブルは、そもそもの通信のスタートに失敗するケースです。

Bluetooth接続は、デバイスA(親機:セントラル)がデバイスB(子機:ペリフェラル)に対して接続を要求し、デバイスBがデバイスAに返答をする形で通信が開始されます。このとき、セントラルが接続を要求できていない、あるいはペリフェラルが返答できていないなどのトラブルが発生すると、通信に失敗します。

 

電波環境次第で通信が途切れることがある

2つ目のトラブルは、接続の開始後に周辺の電波環境の影響で通信が途切れるケースです。

Bluetooth接続は2.4GHz帯と呼ばれる周波数で通信していますが、この周波数はWi-FiのようなBluetooth以外の通信規格も利用しています。また、電子レンジの電磁波も2.4GHz帯であるなど通信規格以外でも活用されており、周辺の電波が混み合い相互に干渉した場合、Bluetoothの通信が乱れるケースがあります。


安定した電波環境下でも通信が途切れることがある

3つ目のトラブルは、安定した電波環境下であっても接続が突然途切れてしまうケースです。

Bluetooth接続は、自室などの安定した電波環境下にあっても通信が中断されることがあります。すでに接続中のペリフェラルがほかのセントラルと接続されてしまったり、現在のセントラルからの過剰な通信要求によりパンクしてしまったり、といった原因が考えられます。

 

ここまでにご紹介したように、Bluetooth接続の通信トラブルにはさまざまな種類があり、解決には原因の特定が必要とされます。その有効な手段となるのが「プロトコルアナライザ」です。

 

Bluetooth接続におけるトラブルの解決を手助けしてくれるプロトコルアナライザとは?

 

Bluetooth/WiFiプロトコルアナライザ(Teledyne Lecroy)

プロトコルアナライザとは、通信プロトコルの解析や監視をおこなうための装置です。デバイス同士でデータが正常にやり取りされているか、私たちの目には見えない通信の状態を可視化できる計測器です。

プロトコルアナライザは有線接続の確認に利用できますが、近年はBluetoothに代表される無線通信の確認にもよく活用されています。

 

プロトコルアナライザの特徴

プロトコルアナライザの特徴は、通信トラブルの原因を特定できる点にあります。「どのデバイスがどのような通信をしているのか。途切れたタイミングはいつで、その直前のやり取りは何か。電波干渉は……」とログを分析することでトラブルの原因を究明し、改善につなげることができます。

前述のとおり、Bluetooth接続では多様な通信トラブルが発生しますが、その原因は幅広いものです。プロトコルアナライザで効率的に特定を進めることで、トラブル解消や製品開発のスピード向上が実現します。

 

プロトコルアナライザの使用用途とは?

 

プロトコルアナライザ測定画面

プロトコルアナライザの使用用途は、通信状態の把握であり、トラブル発生時の原因特定はもちろん、正常に動作している(と想定される)通信の安定性の確認などにも利用されます。

以下はプロトコルアナライザの代表的な使用例です。

  • ネットワークのメンテナンス・トラブルシューティング
    (例:社内のインターネット接続が遅くなる原因の特定)
  • セキュリティの評価
    (例:不審な通信やデータの暗号化の漏れがないかのチェック)
  • 通信機器の開発段階での活用
    (例:自社開発中のBluetoothイヤホンについて、接続の安定性を確認)

プロトコルアナライザは、通信の状況を詳細に確認できる点に強みがあります。通信の検証が必要な多くの場面で幅広く活用できます。

 

業界をリードするTeledyne LeCroy社のBluetoothプロトコルアナライザ製品

コーンズテクノロジーでは、業界No.1の最新規格への対応スピードを誇るTeledyne LeCroy社のプロトコルアナライザを取り扱っています。

 

複雑な無線環境において、この1台で多彩な解析に対応!X500e Bluetooth/WiFi/802.15.4 プロトコルアナライザ

 

Teledyne LeCroy Frontline X500e

X500e Bluetooth/WiFi/802.15.4 プロトコルアナライザ(以下、X500e)は、従来のBluetoothプロトコルアナライザの域を超えたハイエンド製品です。Wi-FiやIEEE 802.15.4といったBluetooth以外の無線規格まで同時に補足でき(※Eliteモデル)、多数の通信が飛び交う過酷な無線環境下においても真価を発揮します。

最大46Gbpsもの通信速度が期待できるとして注目される最新のWi-Fi7にも対応しています。

>>X500e Bluetooth/WiFi/802.15.4 プロトコルアナライザ

 

コンパクトながらに高機能・ハイパフォーマンスを実現したX240 Bluetooth/WiFi/802.15.4 プロトコルアナライザ

 

Teledyne LeCroy Frontline X240

X240 Bluetooth/WiFi/802.15.4 プロトコルアナライザ(以下、X240)は、コストパフォーマンスに優れたモデルです。Bluetoothのみ、Wi-Fiのみといった単一プロトコルの測定に適しており、測定の質の高さは保ちながらも、価格面が抑えられています。

電波干渉の解析やログのシーケンス表示など、主要な機能はもちろん搭載済みです。コストを抑えてBluetoothの測定環境を整えたい場合におすすめです。

>>X240 Bluetooth/WiFi/802.15.4 プロトコルアナライザ

 

Bluetoothに関する豊富なノウハウを活用できるBluetooth RF測定・解析サービス

 

Teledyne LeCroy Frontline 測定サービスイメージ

Bluetooth通信の測定方法や環境の整え方に疑問がある場合は、コーンズテクノロジーのBluetooth RF測定・解析サービスのご利用もご検討ください。

このサービスは、Bluetooth通信の測定から分析、結果報告までを一気通貫で提供するものです。お客様への丁寧な課題ヒアリングののち、X500eやX240といったプロトコルアナライザを適切に選択し、送信・受信特性の測定を実施します。解析サービスをご利用いただいた際には、その改善策までお伝えすることも可能です(一部対応不可のケースあり)。

 

まずは一度、以下のページよりぜひサービスの詳細をご確認ください。

>>Bluetooth 解析・測定サービス コーンズテクノロジー

 

まとめ

ご紹介したとおり、プロトコルアナライザは通信の状態を確認するための測定装置であり、通信トラブルの原因の追求や安定性の確認に重宝します。ぜひこの記事を参考に、Bluetooth接続の安定化に向けた対策を施してみてください。

また、プロトコルアナライザをご検討の際には、コーンズテクノロジーまで是非ご相談ください。