旋回台カメラで実現する高度な自動追尾とAI物体識別 ― Sightline Intelligence「SLA-1750」を用いた検証レポート
- 事例

当社が国内代理店を務めるSightline Intelligence(以下:サイトラインインテリジェンス)社の画像処理ボードと旋回台カメラを使用した自動追尾システムの検証実験を行いました。
旋回台カメラを用いた自動追尾システムでは、「安定した追尾性能」「遮蔽物環境下でもロストしない追尾」「複数対象を同時に管理」などが重要となります。本コラムでは、これらの点がサイトラインインテリジェンス社製「SLA-1750」画像処理ボードを組み込むことで、どこまで実現できるのかを、実証実験の動画や検証結果を紹介します。
検証概要
当社では可視・赤外線カメラとサイトラインインテリジェンス社の画像処理ボードを組み合わせて、監視・防衛向けの最適なシステム構築を提案しています。
今回の実証実験では、サイトラインインテリジェンス社製「SLA-1750」画像処理ボードを採用し、本ボードが持つ高度な追尾機能およびAI物体識別機能を活用することで、旋回台カメラを用いた自動追尾システムの追尾性能および制御挙動を検証しました。
検証内容
当社11階のテラスに旋回台カメラと画像処理ボードを設置し、近隣の幹線道路や高速道路を走行する車両等の物体を対象に、自動追尾の可否を検証しました。
サイトラインインテリジェンス社のボードはドローンにも搭載可能なほど小型・軽量であるため、今回は専用ボックス内に格納しました。このユニットを既存のカメラと旋回台の間に接続するだけで、映像入出力から追尾制御までをボード側で完結できるかを確認しています。
既設システムの構成を大きく変更することなく、後付けで高度な自動追尾機能を付与できるかが重要な検証ポイントです。


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実験結果1 -自動追尾(遮蔽物なし)
サイトラインインテリジェンス社提供のリファレンス用ソフトをベースに、旋回台を制御しターゲットを常に画面中央に捉える自動追尾システムを構築しました。固定焦点HDカメラを用いた検証では、約250m先で対象が消失するまで安定した追跡が可能であることを確認しました。
旋回台による自動追尾の様子を、実際の検証動画でご確認いただけます。

実験結果2 -自動追尾(遮蔽物あり)
自動追尾システムを用い、遮蔽物によるターゲット消失時の動作を検証しました。その結果、サイトラインインテリジェンス社の独自アルゴリズムにより、一時的にターゲットを見失った際もロストすることなく追尾を継続できることを確認しました。
都市環境や複雑な監視条件下においても、追尾性能が維持されることが分かります。

実験結果3 – AI物体識別(サムネイル表示)
サイトラインインテリジェンス社の画像処理ボードは、自動追尾だけでなく、指定エリア内に侵入した物体をAIで識別する機能を備えています。本検証では、AIが判定した対象物を画面下部へ個別にサムネイルとして拡大表示し、同時に最大10台まで一覧化できることを確認しました。
AI識別機能を活用することで、単一ターゲットの監視だけでなく、複数ターゲットの同時監視にも対応できる構成となります。

赤外線カメラを用いた検証においても同様に、AIが識別した対象物を画面下部へサムネイルとして拡大表示できることを確認しています。昼夜を問わず監視を行う用途においても有効な構成です。
まとめ
今回の実証実験を通じて、サイトラインインテリジェンス社の画像処理ボードを活用することで、既存の旋回台システムを活かした高度な自動追尾機能およびAI物体識別機能を実装できることが確認されました。
旋回台という具体的なアプリケーションを通じて検証しましたが、本構成は他の映像監視システムへの応用も可能です。遮蔽物に強い独自アルゴリズムや、複数対象を同時に識別するAI機能は、複雑な環境下での監視・防衛用途において極めて有効なソリューションとなります。
当社では、本検証で得られた知見を活かし、用途や要件に応じた画像処理システムの構築を支援しています。下記よりお気軽にご相談ください