EVとeVTOL時代に選ばれる音響解析ソリューション ― Audio Precisionが拓く未来の車内音響

5月に開催された「人とくるまのテクノロジー展2025」に、初めてAudio Precision がAxiometrix Solutionsの一員として出展を行いました。大会当日にAudio Precisionのマーケティング 担当のLinda Liに今回の出展目的、海外でのオートモーティブの音響試験、EVの発展やeVTOLの普及などについてお話を伺いました。
世界中のOEMが信頼する音響解析ソリューション
今回の展示会の目的と、訴求したいソリューションについて教えてください。
Audio Precision
ご存じのとおり、Audio Precisionは世界的なオーディオアナライザ メーカであり、多くの有名企業がAudio Precisionのオーディオアナライザを使用して音響性能を最適化しています。近年ではEV(電気自動車)やeVTOL(電動垂直離着陸機)の開発が進む中、キャビン内での音響試験のニーズが高まっています。EVでは、運転者や同乗者が快適に音楽を楽しむための音響環境が重要視されており、当社は音質の最適化を支援しています。
EVキャビンの快適性を左右する音響最適化
来場者からはどのようなトピックについて質問されましたか?
Audio Precision
今回の展示会は自動車技術展ですので、来場者からはまずNVH(騒音・振動・ハーシュネス)に関する伝統的なトピックについて多くの質問を受けました。また、車内外の騒音をどう抑えるかという課題も関心が高かったです。一部のお客様はeVTOL関連についても興味を示していましたが、まだそれほど多くはありませんでした。一方、Audio Precision製品にフォーカスすると、特に試作車両におけるキャビン内音響試験の活用や、音響性能の最適化に強い関心が寄せられました。

それでは、他の国での車内音響試験の状況について教えてください
Audio Precision:
例えば、過去2年間でお取引のあった著名な音響機器メーカーがあります。音響システムで非常に有名で、多くの世界的自動車メーカーにOEM供給をしています。この企業は当社の「APx586B」に、精密音声計測用マイクロフォンなどを製造するGRAS の人工耳「KEMAR 」、そして低ノイズ特性に優れたマイクロホン「46BC」を組み合わせて使用し、車内音響の分析に活用しています。このように、海外ではEV車のキャビン内音響試験に際して、Audio Precisionを含めたAxiometrix Solutionsメンバーのトータルソリューションが活用されることが多いです。

音響解析のトータルソリューションで他社と差別化
Audio Precisionの強みはトータルソリューションの提供ですが、競合他社との違いはどこにありますか?
Audio Precision
現在Audio PrecisionもGRASもIMCも、すべてAxiometrix Solutionsグループの傘下にあります 。そのため、私たちは本当の意味でトータルな測定ソリューションを提供できる唯一のサプライヤーです。強力な研究チームが連携して、システム全体を継続的かつ一貫して最適化できるのが強みです。また、主要顧客との強固な関係とデータベースを活用し、より高度な技術をもとに製品研究を進めています。
今回の展示会のデモ用に、この車両を選定した特別な理由はありますか?
Audio Precision
この車両はご存じの通り、有名なドイツの高級車ブランドです。求められる品質の高さの象徴としてデモ用車両に選びました。もちろん当社の音響解析ソリューション は他のEV車にも対応可能です。

高品質を求められるEV車を使いたかった、ということですね。この自動車メーカーとの関係性は深いのでしょうか?
Audio Precision
はい、Axiometrix Solutionsとしては20年以上のお付き合いをさせていただいています。Audio Precision・GRAS・IMCという3ブランドがそれぞれ持つ顧客基盤や技術力を相互に活用することで、この自動車メーカーに限らず、世界中の自動車メーカーへのビジネス展開を加速しています。
eVTOL市場の静音性ニーズにも対応
eVTOLについて伺わせてください。今後のeVTOLに関する需要予測やコメントがあればお願いします。
Audio Precision
eVTOL(electric vertical takeoff and landing)は、電動かつ垂直離着陸可能な航空機を意味します。バッテリーで動く低高度の航空機で、航空宇宙業界では非常に注目されています。欧米だけでなくアジアでも関心が高まっています。私たちは音・振動・騒音の専門家として、eVTOLのプロトタイプ試験にも対応しています。特に低空飛行時には居住区やオフィスの上空を通過するため、騒音の低減が重要課題です。
私たちは、GRASの高品質・小型・堅牢なマイクロホン、IMCのセンサーによる振動・温度・構造データを収集し、それらを小型DAQ(データ収集システム)で記録し、最終的にAudio Precisionのオーディオアナライザ(APx586B・APX500 FLEX )の解析へとつなげるトータルソリューションを提供しています。Audio Precisionのオーディオアナライザと解析ソフトウェアにより、音源分析や音の“全体像”を見せていきます。

中国のeVTOL市場について、どのような企業がこの市場に参入しようとしているのでしょうか?
Audio Precision
そうですね。中国でもこの新しい市場に注目する企業が増えてきています。中国国内では、すでにeVTOL事業に参入しているブランドもいくつかあり、価格と品質のバランスを求める企業が多いです。そうしたニーズに応えるのが私たちの役割です。
Audio Precisionのオーディオアナライザを使った社内音響試験の基本構成

資料

Audio Precision社製のオーディオアナライザとそのオプション、アクセサリ、ソフトウェアの仕様・特長を紹介する日本語総合カタログです。
本カタログには、Audio Precision社と同じAxiometrix Solutionsメンバーである、GRAS社のマイクやテストフィクスチャの製品も併せて掲載しています。ぜひ、下記よりダウンロードください。
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