特集

サーマルカム・トラッカー

サーマルカム・トラッカーとは

以前より、Leptonを利用し様々なシーンで活躍されている関西電機工業株式会社さんが、Leptonを接続したRaspberry Pi (3以上推奨)で撮影した熱画像を、Jetson Nano上で、後段分析など、今までやられてきたことを織り込んだシステム、「サーマルカム・トラッカー」をまとめ上げられました。Raspberry Piは、Leptonの画像をJetson Nanoに伝送し、Jetson Nano上で、詳細な、温度表示を行うデモンストレーションツールとなります。

こちらのビデオ をご覧ください。

Raspberry Pi上のアプリケーション(ビデオ内、中心付近の小さいモニタ)では、マウスポインタ位置の温度を表示するとともに、Jetson Nano(IPアドレスの指定が必要です)へ画像を伝送します。

Raspberry Pi画像の送信先は、実際に、ネットワーク内に存在しているアドレスである必要がありますが、受け取り側IPを仮に設定することで、単独の、サーマル画像モニタ装置として使うこともできます。

Leptonは、Breakout Boardごと、LCD表側・裏側に向けて、付け替えることができます(ハード面でもソフト面でもホットスワップには対応していないので、付替えの際には電源を落とす必要があります)。つまり、上記ビデオのように自撮り的な使い方、あるいは、通常のカメラのように対物撮影するような使い方を、使い分けすることができる優れものです。

この写真の構成では、Raspberry Pi3A+を使用しており、MIPI DSIに5″ LCDが接続されています。フレームは、関西電機工業株式会社さんで3Dプリンタを使用し制作されたものになります。

Jetson Nano側(ビデオ内、左側のモニタ。右側はノートPC。)では、受け取った画像データをもとに、マウスポインタ位置を中心としてその上下左右4ピクセル(都合9×9の81ピクセル分)の温度を表示することができます(右上)。ユニークな機能として、シーン内の温度高低を、3Dポイントクラウド表示することができます(右下)。

なお、こちら側はなかなか盛り沢山ですので、HD以上の解像度を持つモニタが必要です。

サーマルカメラでよく使用される疑似カラー設定は、個別に設定可能で、Raspberry Pi側の設定がJetson Nano側に影響することはありませんし、異なる疑似カラー設定を行っても、それにより何か影響が生じることはありません。

アプリケーションの起動・停止コントロールはJetson Nano側から行うことができ、Raspberry Piサイドは、立ち上げてネットワーク接続できていればOKです。

コーンズテクノロジー社内でのテスト状況写真も貼りたかったのですが、社内で試験用に使用しているLeptonは、シャッター交換を含め、様々な「試練」を乗り越えてきているためかノイズ満載画像が出力されるものしかない関係で、断念しております…。

セットアップ

セットアップとしては一点、画像送出を行うRaspberry Piには、その受取先となるJetson Nanoのアドレス指定を行う必要があります。Desktop上に、Thermal_Camというアイコンがあります。実体は、Desktopディレクトリ内にあるKD.desktopで、そのスクリプト内で、受取先となるJetson NanoのIPアドレスを、コマンド引数となるよう設定してやります。
 
コードは以下githubにて公開されています。
https://github.com/wiwao/ThermalCam_Tracker

この記事の監修者

コーンズテクノロジー編集部
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