2024.05.21
正しいセンサ、選んでますか?『IMU』『AHRS』『INS』『RTK』『Dual Antenna INS』など、必要なデータ・情報をもとにしたセンサの選び方
WEBマガジン部品・センサ
センサアプリケーションの開発者の多くの方が直面する課題、よく訊かれる質問としては、「センサの選択ってどうすれば良いか?」というものではないでしょうか?今回は、センサを選ぶ際のヒントにしていただけるよう、弊社が代理店を務めるInertial Sense社のブログ内容を加筆・修正して紹介します。
まず、ほとんどのエンジニアは要求される製品仕様に対して十分に理解していると思います。一方でセンサを選ぶ際には、未だ多くの選択肢があるように感じ、迷われているかと考えます。だからこそ、私たちがセンサの選び方の質問を受けた際には、いくつかの質問を行い、相応しいセンサに導きます。
Raw Data(生データ)が必要なら、『IMU』
私たちの質問のほとんどはデータに関するものです。つまり、センサから返されるデータや情報として何が必要ですか?という質問になります。Raw Dataが必要で、温度、3D加速度,地磁気,回転速度のみが必要な場合、『IMU』が相応しいです。Inertial Sense社の製品であればIMX-5シリーズがそれらのニーズに応えます。 このセンサは、生の校正済みデータを提供し、アプリ・ソリューションがフィルタを必要とする場合、動作測定には最適なセンサです。
Roll / Pitch / Yaw Data(回転/上下動/進路方向)が必要なら、『AHRS』
上記生データに加えて、回転/上下動/進路方向に関するデータが必要な場合は、『AHRS』が相応しく、Inertial Sense社のIMX-5がそのニーズに応えます。IMX-5は、生データに重力を加味して方位情報を導くアルゴリズムを用いています。これら方向データのセンシングは、ロボットアームや屋内床掃除機等に最適です。
『IMU』と『AHRS』の機能である速度と位置情報の両方が必要なら、『INS』
『INS』なら、『IMU』と『AHRS』センサのすべての機能が含まれます。Inertial Sense社のセンサモジュールは、GPSデータとの融合でより高精度の位置情報を提供するKalmanフィルタもサポートしています。この技術を用いることにより、位置情報を保持するだけでなく、常に最新の位置データを提供します。アプリケーションとしてはドローンや小型地上ロボットに最適です。
cm単位の位置情報が必要なら、『INS+RTK』
更に『INS』に加えて、RTK (Real-Time Kinematicsリアルタイム キネマティック) を追加することで“極めて高い精度”、つまりcm単位での精度を得られます。Inertial Sense社の IMX-5-RTKには衛星からの補正データが含まれており、高精度ドローン、自動操縦アプリケーション、小型地上ロボットに最適です。 データには、GNSS/GPSベースの緯度,経度,高度情報が含まれており、リアルタイムの動作姿勢,GNSS/GPSベースの3D姿勢情報をサポートします。
電波干渉が懸念される場合は、『Dual Antenna INS』
上記のIMX-5-RTKに、2つ目のGPSアンテナも必要とする場合、Inertial Sense社のIMX-5-Dualが解決します。これは、IMX‐5‐RTKに方位データ用に2つ目のGPSアンテナを追加搭載したモジュールになります。ご使用のマシンに電磁干渉が懸念される場合には、GPSベースの方位データを提供するデュアルアンテナシステムが重宝するはずです。レーダー/アンテナのポインティングアプリや、電磁波出力がデータを歪める可能性のある場所に最適です。
過酷な環境下に耐えうる頑丈さが必要?
私たちが尋ねる最後の質問は、「それらは頑丈である必要がありますか?」です。Inertial Sense社のセンサは、過酷な環境下でセンサを保護するためのアルミニウムケーシングされた堅牢なパッケージ(RUGタイプ)でも供給が可能です。自動操縦,採掘,送電線その他屋外、又は過酷な用途で使用する場合は、頑丈なパッケージ品を使用する事をお勧めします。
全てのセンサが同じように造られているわけではありません。プロジェクト向けに部品選択を行う場合、センサとセンサを制御するソフトウェア双方のクオリティを考慮することが重要です。センサに関するお悩みがある際は、是非コーンズ テクノロジーセンサチームまでご相談ください。