Bluetoothデバイスの音響測定:プロファイル、コーデック、ソース・シンクの関係性の理解が重要
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Bluetoothは日常生活に欠かせないテクノロジーであり、ヘッドフォン、スピーカー、車載システムなど、さまざまなデバイスで使用されています。
一方で、Bluetoothデバイスのオーディオ測定では、Bluetoothの通信規格であるプロファイル(HFP、HSP、A2DP、AVRCP)、ソース・シンク、そしてコーデックの組み合わせなどを意識する必要があります。プロファイル、コーデック、ソース・シンクの関係性を理解して測定しないと意味のある測定結果を得ることはできません。
オーディオ測定における、主要なBluetoothプロファイル
まず、オーディオ測定の観点で、4つの主要なプロファイルとして以下のようなものがあります。
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ハンズフリープロファイル (HFP)
デバイスがソース(オーディオゲートウェイ)またはシンク(ハンズフリー)として機能。CVSDおよびmSBC(広帯域音声)オーディオコーデックを使用した双方向オーディオ。
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ヘッドセットプロファイル (HSP)
デバイスがソース(オーディオゲートウェイ)またはシンク(ヘッドセット)として機能。CVSDおよびmSBC(広帯域音声)オーディオコーデックを使用した双方向オーディオ。
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高度オーディオ配信プロファイル (A2DP)
デバイスがソースまたはシンクとして機能。高品質なステレオオーディオを、複数のオーディオコーデックのいずれかを使用して提供。
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オーディオビデオリモートコントロールプロファイル (AVRCP)
デバイスがソース(ターゲット)またはシンク(コントローラー)として機能。AVRCPは、A2DPの転送コントロール、遅延補償、絶対音量設定をサポート。
音響測定におけるプロファイルとソースシンクの関係性
評価されるオーディオデバイスは、複数のプロファイルでテストの必要がある場合や、各プロファイルでソース(発信元)とシンク(受信先)の両方をテストする必要がある場合があります。そのため、オーディオアナライザは、各プロファイル毎にソースとシンク両方をサポートしている必要があります。
測定時のもう一つのパラメータであるコーデック
くわえて、オーディオアナライザが、使用されるさまざまなコーデックもサポートできるかという点も重要です。コーデックの役割は、音声をソースでエンコード(圧縮)し、シンクでデコード(復元)することです。これはデータレートを削減する目的である一方、可能な限り元の音声を忠実に再現することが望まれます。
しかし、コーデックの種類によって、音質に影響を与える可能性があります。入力信号がそのまま出力信号に変換される線形デバイスと比較して、コーデックが使われた音声信号を測定・解析すると、音質の劣化や予期しない高調波、ノイズなどのアーティファクトが見られがちです。
デバイスの役割に応じた柔軟な測定設定
さらに、Bluetoothデバイスをテストする際、オーディオアナライザにはデバイスの役割(ソースまたはシンク)に応じ、柔軟な設定ができることが必要です。たとえば、Bluetoothスピーカーをテストする場合、オーディオアナライザの出力はBluetoothソースとして設定され、入力はアナログモードに設定し、マイクでスピーカーの音響出力を拾い測定を行います。一方、Bluetoothヘッドセットのマイクをテストする場合、オーディオアナライザは出力でアナログモードに設定され、スピーカーを使用してマイクに音響刺激を与えます。この信号をBluetoothシンクとして受信し、解析を行ったりするということが必要になります。このように、オーディオアナライザには、デバイスの役割に応じた柔軟な測定設定が求められます。
以上のように、Bluetoothデバイスの音響測定において、オーディオアナライザは、プロファイルとコーデックを両方の方向(ソースとシンク)でサポートし、デバイスの役割に応じた柔軟な測定設定が可能である必要があります。